看護師の初任給

初任給というのは文字通り、社会人になって初めてもらうお給料のことです。

自分で働いて初めて手に入るお金ということで、特別な思いを持つ人も少なくないと思います。

 

では、看護師さんの初任給はどの程度なのか、全国的な平均を見ていきましょう。

 

看護師の平均的な初任給

看護師の平均的な初任給は、人事院と日本看護協会による調査からおおよその推測をすることができます。
日本看護協会が公開している、「採用予定の新卒看護師の予定初任給」というものがあります。

 

2014年のデータによると、高卒+三年過程卒の新任看護師の場合、平均基本給与額は197,689円、税込みで262,074円となっていることが分かります。
そして、大卒の新任看護師の場合は、平均基本給与額が204,683円、税込みで270,200円になります。

 

看護師の学歴別初任給
高卒+三年過程卒の新任看護師 197,689円(税込みで262,074円)
大卒の新任看護師 204,683円(税込みで270,200円)

 

過去5年間の推移を比べると、2010年の高卒+三年過程卒が257,775円、大卒で266,963円だったことから、看護師の初任給は少しずつ増加傾向にあることがうかがえます。

 

また、人事院の行っている「職種別民間給与実態調査」によると、准新卒(資格取得した翌年までの採用者)の看護師の初任給は209,069円という結果も出ています。そして地域別で見ると、1級地は非支給地に比べて3万円ほど高いことも分かっています。

 

准新卒(資格取得した翌年までの採用者)の看護師の初任給
准新卒の看護師 209,069円

 

実際に看護師の手元へ届くのは

しかし、このデータは一般的に「額面」と呼ばれる、基本給に残業代や交通費・各種手当が合計された値です。実際に看護師の手元へ届くのはそこから税金や保険料、厚生年金などが引かれた分となります。

 

看護職の手取り額をおおよそ集計した上での計算になりますが、税込み額の約20%が天引きされると考えていただければ良いかと思われます。民間病院や大学病院のほぼ4割が20〜25万円なのに対し、公立病院・国立病院の6〜8割が15〜20万円と、やや手取り額は少なめです。

 

看護職の手取り額
民間病院や大学病院のほぼ4割 20〜25万円
公立病院・国立病院の6〜8割 15〜20万円

 

看護師の就業先で一番平均初任給が高いのは

ちなみに、看護師の就業先で一番平均初任給が高いのが大学病院などの学校法人や社会保険関係団体で約27万円、次いで公益法人・医療法人・国(厚生省)が26万円前後、公的医療機関が最も低く、約25万円後半といった具合になっています。

 

看護職の初任給が高い就業先
大学病院などの学校法人や社会保険関係団体 約27万円
公益法人・医療法人・国(厚生省) 26万円前後
公的医療機関 約25万円後半

 

看護師の初任給の半数以上は、手取り額が20万に満たない

そのほかにも、病院で着用するユニフォームや別途料金、寮がある場合は寮費がかかる医療機関もあるので、場合によっては引かれる項目の多さに戸惑いを感じる人も少なくないようです。

 

また、初任給は給料の締め日も影響してきます。各々の金額を見ると少ない人は7万から、高い人は交通費や研修期間も含めて40万円近くもらえる人もいるそうです。

 

そして、看護師にあって他の職業に少ない「夜勤手当」ですが、これは病院・施設によって差が生じますが、2交代制でおおよそ1〜1.5万円です。月に4回の夜勤をしたら4〜6万円程度収入が増えます。

 

こういったデータや調査を集計すると、看護師の初任給の半数以上は、手取り額が20万に満たない、ということが言えるでしょう。

 

先に挙げた一例から最も平均初任給が高い人と最も低い人を比較してみると、学校法人勤務の大卒看護師で約27万6200円、一方専門卒の看護師で約26万7800円となります。公的医療機関勤務の大卒看護師は約26万4000円、専門卒は約25万6200円で、この時点で平均初任給には7,000〜8,000円の差が出ています。

 

そこからで税金や保険料、制服代などが差し引かれるので、初任給で20万を超えるのは、ごく一部のようです。

 

約20万前後という初めてのお給料を、高いと思えるか低いと感じるかは人それぞれのことだと思います。あくまで平均額の話題で話を進めてきたので、施設や地域、その医療機関の方針で差が出ることも十分にあり得ます。

 

看護師のお給料は専門学校卒・女性の収入から考えると、全国平均よりはるかに高いです。しかしその分、夜遅くまでやらなければいけない事も多く、肉体労働で責任も重くなっています。そういった点で「もっと多くても良いのではないか」と考える看護師さんも多いのではないでしょうか。

 

准看護師のお給料

看護師と准看護師、患者さんにとってはどちらも同じ「看護師」ですが、その待遇には差があります。

求人先の違いはもちろんですが、同様に重要なのが給与、そして年収の違いではないでしょうか。

 

仕事のやりがいは大切ですが、同じようにその報酬となる給料の金額も大切なポイントですよね。

 

看護師の指示の下で業務を行うのが准看護師ですが、とりわけ近年では、看護師と准看護師の仕事内容に大差はありません。医療現場での人手不足は深刻化を辿る一方で、そこを分け隔てている余裕もないものと思われます。

 

それでは、准看護師のお給料はどのようなものになっているのでしょうか。

 

年収で見ると最終的に約70万近くの差額

結論から言うと、准看護師のお給料は看護師に比べて高くなることはまずありません。
平成24年に行われた厚生労働省の調査によると、准看護師の平均給与は約28万円、一方正看護師の給与は約33万円と、この時点で5万円ほどの差が生じています。

 

ここへ更にボーナスが含まれ、年収で見ると最終的に約70万近くの差額となります。一方で労働時間は正看護師と准看護師で大きな差は見られず、同じだけ働いているにも関わらずそれだけの収入差、待遇差があることがうかがえます。

 

准看護師の平均給与は約28万円
正看護師の給与は約33万円

 

もちろん、仕事のやりがいは収入がすべてではありません。仕事に対してその収入で満足だったり、今の仕事が楽しい、充実しているというのであればそれも良いかもしれません。
実際、准看護師であったとしても仕事ぶりを評価されて活躍している人もいますし、同年代の他職業と比べると決して悪い条件でもありません。

 

しかし、准看護師というだけで同じ労働時間・内容でありながら金額に差が出てしまうのもまた事実です。

 

資格の取得までにかかる労力の差

給与の差には、さまざまな要因が関係します。まず、「資格の取得までにかかる労力の差」です。
正看護師と名乗るために必要な看護師免許は厚生労働省が認定する国家資格であり、対して准看護師免許は各都道府県知事が交付しているものです。

 

この差は合格までに取得する必要のあるスキルや知識の差であり、免許を取るにあたっての難易度ともいえます。

 

正看護師の試験を受けるには、3年制の看護学校ないしは4年制大学の看護学部を修了しなくてはなりません。それに対し、准看護師の受験資格は2年制の准看護学校もしくは高校の衛生看護学科を修了していることです。

 

准看護師の方が早く、安い学費で仕事に就く機会を得られるため、早く就職したい人や学費が揃えられないという人が選ぶことが多いです。修学年数が長く、試験の内容もそれ相応のものとなり、試験を得るまでの時間やお金などの労力が就職後に反映されています。

 

准看護師への偏見

続いて「准看護師への偏見」があります。定義として看護師が医師のもとで働き、准看護師は看護師のもとで働くという違いこそあれど、仕事の内容に変わりはありません。

 

それでも、「准看護師には主体的な看護ができない」と判断され、たとえ優秀でも准看護師がリーダー的なポジションや管理職に就く事は難しいです。この傾向は病床の多い大学病院や総合病院といった規模の大きい医療機関に多くみられ、実際そういった施設のほとんどは正看護師の求人がほとんどです。

 

病院側のメリット

そして「病院側のメリット」も理由に関わります。近年の診療報酬の改正では、看護師の過重労働を軽減して患者ひとりひとりにより細やかな医療を提供するために患者7人に看護師1人という「7:1看護制度」が推奨されました。

 

この改正によってより高い診療報酬が期待でき、利益が増えるというメリットを図ったものです。

 

しかしこの制度では准看護師はカウントされず、そもそも病床の少ない医療施設にはメリットがありません。その結果、多くの大規模病院では利益拡大のために正看護師の求人を増やし、准看護師は7:1看護制度に関連しない小規模病院やクリニックで求人される傾向が強くなりました。

 

大規模病院はもともとの資金力もあり給与提示額が高くなりますが、小規模施設の資金力は乏しいこともあり、そこが主な就職先になる准看護師の給与が低くなる、という仕組みになっています。

 

正看護師と比較するとやはり、准看護師の給料は低いもののように感じるかもしれません。

 

しかし医療関係の収入は他と比べると高い水準ということは確かであり、知識があるということは仕事をしていく上で大きな武器となるでしょう。

 

看護師のお給料

一般的に、「医療関係者は高給」「公務員は初任給が低めであるが、全体を通してみると給料が高い」というイメージを持たれていることが多いです。

 

看護師も例外でなく、同年代の他職業に比べて給料が高いと、職種による違いを持たれがちです。それでは、実際看護師の給料は他より高いのでしょうか。

 

看護師の平均収入は高く、安定している

厚生労働が集計・発表している賃金データ「賃金構造基本統計調査」をもとに看護師と労働者全体を比較してみると、差が少ない年でも約30万円、差額が大きい年には70万円ほど、看護師の方が平均収入が高いことが分かります。

 

リーマンショックの起こった平成20〜21年でさえ、全職種の平均収入は30万円以上下がっているのに対し、看護師の推移は労働者全体ほど大きな動きは見られません。

 

看護師の給料は、他の職種と比べると景気による影響を受けにくく、高水準で安定していると言えます。

 

続いて、年代別で看護師・労働者全体・そして女性労働者全体の年収を比較してみます。

 

まず20〜24歳の新社会人世代を比べると、労働者全体・女性労働者がおおよそ300万円前後なのに対し、看護師の年収は約400万円と、目に見えて高給です。女性労働者の最高年収が450万円程度であることに対して看護師は、その後50〜54歳の間で約550万円と最高額、定年後の60歳以降でも平均はほぼ400万円を保っています。

 

労働者全体・女性労働者がおおよそ300万円前後
看護師の年収は約400万円

 

その一方、労働者全体と比べたとき、看護師の方が上回っていた収入額が逆転し、その後順位が入れ替わることはありません。看護師の初年収から最高額までの上昇が156万円。労働者全体の311万円と比べると非常に緩やかで、全体的に見れば高給だが昇給率は低いととれます。

 

そして、さまざまな職種と比較してみても看護師の年収は上位にランクインすることも分かっています。同じ医療関係の薬剤師や、医療関係者同様、高給な職業というイメージの強い弁護士よりも看護師の年収は高いのです。

 

休日手当や夜勤手当、認定看護師手当などが加算

この収入額の違いには、基本給よりも各種手当が大きく関わっています。
看護師の基本給は他の職種と比べても多少高い程度で、目に見えて高給とは言えません。そういった基本給に加えて休日手当や夜勤手当、認定看護師手当などが加算されて上記のような金額まで上がるといった仕組みになっています。

 

その中でも「夜勤手当」は金額が大きく、一晩で1万から、多い時には3万円以上つく場合もあります。昼間の勤務でも日曜日や祝日、年末年始などに出勤すれば「休日手当」がつきますし、看護や病気に対してより深い知識や経験を生かして認定看護師の資格を取ると、それに対しても手当てがつきます。

 

こうして他の職種と色々な角度から比較していくと、看護師の給料はかなりの高水準であるということが分かるでしょう。「看護師は高給」と言える結果となりました。

 

しかし、看護師さんの中にはそのお給料について、「緊急入院や緊急オペ、患者さんへの即急な対応も求められるので大変」「高給でも、忙しさに見合っていない」など、水準の高さは自覚しつつ納得していない人も少なくないようです。

 

「看護師は高給だ」というのはあくまで「仕事内容と比べると高給」ではなく「他職業と比べると高給」ということです。

 

看護師は女性であろうと力をつかう肉体労働も少なくありませんし、なにより人と関わり、人の命を預かる責任感の重圧があります。身体的にも精神的にもハードな仕事ですので、その仕事量に見合った給料が得られているかと聴かれれば納得できない人もいることでしょう。

 

ここで出したデータはあくまで統計として出されたものであり、また一部の看護師さんの意見にすぎません。地域や医療機関の規模、そこで求められる技術や職場との相性も少なからず関わってきます。しかし、「看護師さんはお給料が高い」ことには違いありませんが、実際に働いている看護師さんの受け止め方や考え方との温度差がうかがえる結果となりました。

 

看護師長のお給料

看護師長は、その名の通り部署内の看護師の長として場を取り締まる責任があります。何か問題やトラブルが起こった際には迅速な対処を求められますし、新任看護師の教育や相談役など、多くの仕事や役割を掛け持っています。

 

それなら普通の看護師よりも高い給料をもらっているのでは?と思われがちですが、案外そういったわけにもいかないようです。

 

普通の看護師と看護師長の平均給料を比べると、30代で約2万4千円、56歳以降の大ベテランになってようやく7万5千円ほどの差が出てくる程度です。

 

「5万円も違うのなら十分じゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、一般企業で役職がつけばこれより明らかな差がつきます。役職や企業によっては倍以上の額になることもあるといいます。

 

それを考えると、師長という責任の大きい役職に就いて5万円の増加というのはいささか少なく感じるのではないでしょうか。

 

なぜ看護師長の給料はあまり上がらないのか

では、なぜ看護師長の給料はあまり上がらないのでしょうか。
関係のありそうな要因はいくつか挙げられます。

 

復帰の機会が多い職である

まず、「看護師は結婚や出産した後でも復帰の機会が多い職である」という点です。
専門職であり資格をとって就く医療関係は一般企業のOLに比べ、一度退職してもまた職を探しやすいです。

 

しかし、仕事をしていなかったブランクの期間が長いと、過去の就業年数をなかなか考慮してもらえず、復帰後の給料は低くなりがちです。長年の経験があっても、それが金額に反映してくれない場合があります。

 

仕事の質や成果を評価しにくい

次に、「仕事の質や成果を評価しにくい」という点です。
一般企業は売り上げや利益など、明確な目標や指標と呼べるものがあるので、それらの数字が上がれば必然的に給料も上がりやすくなります。

 

しかし、医療機関にはこういった目に見える分かりやすい評価指標がないのです。それが原因となり、どれほど優れた看護師長であったとしてもその功績に見合った評価が出にくいものと考えられます。

 

そして、「人件費調整の影響」も大いに関係しています。病院は診療報酬が主な収入源なので、一般企業のように利益によって給料額を上下させることはできません。

 

人件費を固定し、そのうえで医師が何%、看護師が何%…といった具合に、割合が決まっています。その割合がもし崩れてしまうと、経営に大きな影響を与えてしまうので、たとえ仕事のできる有能な師長でも上げ幅は抑制されてしまうのです。

 

700〜1,000万円を受け取っている看護師長も

さて、ここまで「看護師長の給料と普通の看護師の給料は大きく変わらない」、と言うことを述べてきましたが、これはあくまで全国的な平均から推測した場合の話です。

 

そもそも看護師という職業は、同年代の他職業に比べて水準が高いです。40歳代の事務職の平均と比較すると約2倍ないしそれ以上の収入だと言えます。

 

病院の方針や求められている技術によっては、リーダーとして他の職員をまとめる役割にそれ相応の給料を出すところももちろんあり、年収ベースで700〜1,000万円を受け取っている看護師長もいます。病院の規模が大きいほど金額を挙げる傾向が強いようで、そういった施設に勤務すれば状況はずいぶん変わってくると思われます。

 

それに、昨今の不況や医療関係の人材不足などの諸問題により、看護師という職業はよりスポットを浴びる時代となっています。「女性の割合が多い職業」というだけでなく、社会的に最も需要が高まる職業のひとつともなり得るのです。

 

また、看護部のいない病院では看護師長が看護師内での最高責任者となるので、クリニックによっては高い収入を得られるようです。

 

そして、保健師助産師看護師法および看護師等の人材確保の促進に関する法律改正に伴い看護師の国家試験受験資格として「4年制大学卒」が基本となり、看護師長など管理職クラスの基礎教育が、大学院卒化へと変わることが予測されています。

 

こういった看護界の高学歴推進制度から、専門職の看護師の月収も増加していくこととなるでしょう。

 

総看護師長のお給料

看護師としての仕事を続け、勤務年数を重ねていくと、しだいに看護の仕事を行うだけの立場から大勢の他看護師をまとめ、管理する立場へと変わっていきます。

 

看護師の管理職の中でも総看護師長と呼ばれる役職は最高責任者となり、職場で大きな役割を担うこととなります。

 

主任クラスの役職に就くには、最低でも10年程度のキャリアが必要とされますが、管理職には看護に関する知識の量や技術の高さだけでなく、場をまとめる統率力や看護師同士の関係を円滑にするコミュニケーション能力、さらに人望の厚さも求められてきます。

 

上の役職へと昇格するほどその責任は重くなり、一スタッフである看護師よりもより多くの身体的・精神的負担が増加することになりますが、もちろんそれに見合った待遇の差もあります。

 

総看護師長は、看護師としてのキャリアのゴール

総看護師長は、看護師としてのキャリアのゴールであり、基本的に大手の病院に勤務していることが前提となります。平成23年度のデータによると、基本的に年齢で金額に大きな差が出ることはあまりなく、50万円前後であることが分かります。賞与なども考慮すると、総看護師長の平均年収は600万円〜700万円前後だと考えられます。

 

総看護師長の平均年収は600万円〜700万円前後

 

企業の規模別で平均月給を見ても、時間外手当に多少の差が出るものの、基本給はほぼ50万円前後で、その中でも500名以上の大規模なところに就く総看護師長は総じて金額が高くなっているようです。

 

また、総看護師長とそれなりに影響力のある役職は、基本給の他に特別な手当が手取りとして加わります。主任以上の役職に就いた場合、毎月の基本給に加えて「役職手当」というものがプラスされるようになります。具体的な金額はその医療施設の規模の大きさや地域格差が関わってくるので差額が出てきますが、総看護師長となると10万円以上の手当てがつくこともあるようです。

 

時間外手当がつかなくなることも

しかしその一方で、管理職に専念する傾向が強くなるために、夜勤手当や休日手当といった時間外手当がつかなくなることが増えていきます。看護師の手取りで多くを占めている時間外手当がつかなくなることで、夜勤を多く入れていた人は場合によってその頃より年収が下回る可能性も有り得る、ということです。

 

加えて看護職は、全職員数に対して役職のポスト数が少ないので、昇給の機会そのものがあまり多くなく、その昇給額自体も幅が狭いのが現状です。階級として同等のレベルと考えられる事務系課長と看護師長の給与水準を比較してみても、看護師長の方が低い傾向にあるという調査結果が出ています。

 

先に挙げたように、総看護師長の平均年収は600万〜700万円で、場合によっては一般企業に勤める同世代より収入が下回る場合もありますが、それでも基本的に普通の看護師より高いのは明らかです。その上、病院の規模が大きければ収入も上がりやすく、中には相場をはるかに上回る1,000万円を超えるところもあるといいます。

 

総看護師長の平均年齢は55歳

総看護師長を任される看護師の平均年齢が55歳、平均勤続年数が26年ということもあり、やはり高いキャリアと信頼できる長い勤続年数が必要とされるポジションであることが窺ってとれますし、それほどの収入があっても妥当だろうとの見方もできます。

 

もちろん、現場にいる大勢の看護師を取り仕切る管理職に就くためには、相当の便級が必要になります。3段階、延べ510時間にもおよぶ教育課程を履修し、認定看護管理者の資格を取得することを条件に入れている病院もあるほどです。

 

役職に就くには相応の時間を費やし、努力をつまなければなりませんが、逆を言えばそれほど病院全体に対しても影響力を持っているとも言えます。周囲から信頼を得られる存在が、人手不足も大きな問題のひとつとなっている今の医療機関を支えていく、と言っても過言ではないのかもしれません。

医療機関の規模別女性看護師の平均年収

女性看護師の平均年収を、勤続年数7年から8年、年齢は30代半ばから40代前半までの医療機関の規模別にまとめてみました。

 

 

10名から99名までの規模
まず、職員規模が、10名から99名までの規模では、月収は、約29〜30万円、ボーナスは約65〜73万円で、年収は、約410〜450万円です。

 

100名から999名までの規模
次に、100名から999名までの規模では、月収は、約30〜31万円、ボーナスは約71〜85万円で、年収は、約435〜470万円です。

 

1000名以上の規模
1000名以上の規模では、月収は、約33〜35万円、ボーナスは約93〜101万円で、年収は、約490〜510万円です。

 

このようなデータからもわかるように、医療機関の規模が大きくなるにつれて、年収も増えてきます。特に、1000名以上になると、月収はそれほど変らないのですが、ボーナスの額が随分多くなり、平均年収が500万円台になる点は、注目点です。こういった点は、どの業種にもいえることですが、中小と違い、大きなところは年収が高くなることが多く、恵まれているポイントと言えるのではないでしょうか。

 

経験年数別女性看護師の平均年収

一昔前は、看護師の仕事は「汚い・キツイ・危険」の3Kの代表格の仕事でもあり、しかも賃金自体も安い仕事だと言われていた時代もありました。また若い女性が働いていたため結婚を機に退職したり、3Kでもあるから人材がなかなか定着しない仕事でした。

 

しかし、経済危機による景気の低迷や国民の医療ニーズの関心の高まりといった諸事情、医療機関の人材の確保のための待遇改善の効果もあって、徐々に看護師の仕事も働きやすくなってきたのは事実です。

 

また以前は看護婦という名称が示すとおり、看護は女性中心の職場でもあったのですが、看護師と名称も変更されたこともあって男性の看護師も多くなってきています。ただ看護の現場は女性が中心であるのは現実の流れとしてあります。

 

なお看護師の待遇が向上されたのかどうかを調査するに当たっては、経験年数別女性看護師の平均年収を見てみると良いです。まず平均年収については、当然経験年数が高くなればなるほど高くなる傾向が見られます。

 

具体的には看護師のなりたての1年目〜4年目までは300万円後半となっており、しかも初年の平均年収について言えば、女性の事務系の仕事よりも断然良い傾向があります。そして、5年目になると400万円台になり、5年目〜9年目は400万円ライン、10年目〜14年目については400万円前半、15年目以降となると400万円後半となります。

 

その他、賞与も支給されることもあり、現在では女性の仕事の中でも比較的に年収が高い仕事の分野となっています。

 

年齢別女性看護師の平均年収

年齢によって女性看護師の平均年収は違います。当然、年齢が上がれば上がるほど、平均年収も高くなっていきます。これはキャリアによるものが大きいことが考えられます。女性看護師は一度、資格を取得してしまえば、一生、看護師として仕事を続けることができやすいからです。その間に、結婚や出産などでリタイアしたとしても、最近は職場復帰しやすくなってきています。

 

 

年齢が高くても働く環境によっては平均年収が違ってくることもあります。
規模が大きいところの方が収入が多い傾向にあります。

 

また、年齢が上がり過ぎても良くありません。60代以降になると急激に年収が下がります。やはり実績があってもこの年代になってしまうと機敏に動けなくなるということなどから、使いづらいという職場が多くなっていることが考えられます。

 

看護師なりたての新人とも言える20代前半では平均年収が380万円です。30代前半で460万円、40代前半で500万円、そして、平均年収が最も高くなる年代は50代で530万円となっています。